ハリガネムシ

高校生のときの話。
私はなんか、めんどくさい性格で、文系かつ感情的な理屈屋で、
クラスメイトの道徳的におかしいとことかやたらと口に出して突っ込んで、
そのたびにウザがられて、結果ハブられたりいじめられた。
それに対し、私は更に相手を観察・考察して、必死こいて相手の中傷と自己弁護に勤しんでた。
　

　　　続き
無論、そんな奴に友達などできるはずもなく……
でも二年の末期頃、高校生になって初めて友達といえる存在ができた。しかも二人。
アウトサイダーギャルになろうとしてなれなかった、色々と崖っぷちなAちゃん。
なんかもう見てて哀れになるほど繊細で、気遣い細やかすぎて自滅するタイプのBちゃん。
どっちも私と同じくクラスの余り者で、ふとした縁から三人で喋りながら帰るようになった。
　

　　　続き
Aちゃんはお世辞にも周りに配慮ができるタイプじゃなくて、彼女の悩み事とか一応聞いて、
アドバイスしてみたりしてはいたが、ギャル式贅沢病が抜けきらなくてアドバイスが全部無駄になってた。
そんなのを繰り返していたんだが、ある日Aちゃんが先生に呼び出し喰らって一緒に帰れなくなり、
私とBちゃんで先に帰ることになった。その帰り道、Bちゃんがこんなこと言った。
「私さん、Aさんのこと大丈夫？」
はて、Aちゃんの反省しなさに内心イラつきだしてたことなのか、
それとも彼女の相談聞いてる間しばしば屁をこくことを言っているのか、と訊ねてみたが違うらしい。
　

　　　続き
引かないでね、大丈夫だよ、と前置き問答してからBちゃんがいうには。
B「……あのね、私さん、めんどくさい話を聞いてるとき、顔から変な管出てるよ」
私「？？？？？？？？？」
B「カマキリ水につけるとなんか出てくるキモイの（ハリガネムシか？）いるでしょ、あれに似てる。
　出てくる場所はまちまちだけど、昨日は目から出てた」
私「ええー、何それ怖い……お化け？」
B「ううん、私さんの一部」
　

　　　続き
なんじゃそりゃ、と思いながら話を聞いた。以下、内容の要約。
・Bちゃんは他人の思考形態とか感情の機微とかが形を持って見えるみたい。
　親切にするには便利だけど見える形が大体キモイからつらい。
　あと単純に気を使いすぎて疲れる。
・私から出てるハリガネムシは、私が他人の言葉を『本音は物凄く嫌だけど他にどうしようもないので、
　せめて深く理解・考察しようとしている』ときに出てくる。
　

挟まっちまった…続き
・ハリガネムシは一度に1本しか出ない。出る場所は目、鼻の穴、口、耳、と顔に集中している。
・ハリガネムシは喋っている人の頭の近くに先端を近付けて、そのまま話の内容をちゅるちゅるすする。
・私の魂？意識？の一部が発達して出来たものなので何にも心配することはない。
・>>615に書いた私の思考傾向と似たような人には、形は違えどよくあるものらしい。
　

　　　最後
ちゅるちゅるキモッッッッ！？
吸ったものはどうなんの、と訊ねると
「私さんよくオナラするでしょ。あれに吸い込んだものの絞りカスが混じってるから、
おなかの中で食べ物と一緒にこなれてるんじゃない？」
好奇心80%で訊いてみたら霊感だかよくわからない話が出てきたわけだが、
その時はなるほど、となんか納得してた。
　

それを伝えてBはどうしたかったのか
　

つまり「お前おなら臭えんだよ」って言いたかったのか
　

目玉ドロップ放り込んだせいで頭に入らなくなったwww
　

笑えるというより、不気味だな。
　

みなさんちょっとまとう、続きがきになる
　

ハリガネムシ投下した者です。
Bちゃんは、Aちゃんの話を吸いすぎて私が腹を壊すんじゃないか、
あと当時からオカルト好きだったので言っても大丈夫なんじゃないか、
と思って私に打ち明けたらしい。
進路の違いでAちゃんともBちゃんとも今は交流ないけど、聞けてよかったと思った話だった。
ここに書いてすっきりしたよー
　

ホムンクルスの読みすぎだってw
　

↑漫画のほうのホムンクルスねwハガレンじゃなくてw
　

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