バチバチボール


330 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/12/21(水) 00:16:07.68 ID:ZVpoxhS1O
兄貴の話。兄貴がまだ実家暮らしだった頃に、夜中寝てると、なんかバチバチやかましい音に睡眠を邪魔されたそうな。
固いものがぶつかり合うような?油で揚げ物してるような?
バチバチバチバチ!!と兄貴の睡眠を妨げてた何かは、頭の上辺りからしていたのを段々覚める意識で確認して目を開けたらしい。
ツヅク
  
331 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/12/21(水) 00:22:46.15 ID:ZVpoxhS1O
部屋は真っ暗で頭上はやかましい。で兄貴は自分の左腕が不自然に上がっているのに気付いた。
布団からかなり長時間出ていたみたいで、冷え込んで冷たくて、肘とか肩とか痛むくらいだったんだと。
で左手は真っ直ぐ伸びて、バチバチやかましい音の方に伸びてたから、?と、
自分の寝相の異様さに何故か全身から血の気が引き、目が更に冴え痛いくらい緊張してしまったんだと。
コマギレ失礼。ツヅク
  
332 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/12/21(水) 00:31:47.48 ID:ZVpoxhS1O
なんでか分からないが、ゆっくりゆっくり視線を左手に移して、バチバチ喧しい音へ伸びる手先を見て、
兄貴は意味不明さにどうして良いか分からなくなったらしい。
左手は日本刀を強く握りしめていて、
刃の所が丸く黄色いバチバチ発電してるみたいなボールをぎちぎち食い止めてたんだと。
バチバチの音の正体はわかったが意味不明過ぎて、固まる兄貴。
ツヅク
  
333 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/12/21(水) 00:43:03.88 ID:ZVpoxhS1O
バチバチボールは、頭直撃コース。兄貴の左手はそれを防いでたらしいが、兄貴パニクる。
電気?この刀誰の?俺寝ぼけてるよな。
と夢認識で何にも無かったように刀から手を離そうとかして気付いたんだと、
異様さも過ぎるが、視線も腕も姿勢も動かせないくらい部屋の空気が張り詰めて、黄色いバチバチボールが非常にヤバい、と。
でも、そこからどうするのか正解なのか分からない。ツヅク
  
334 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/12/21(水) 00:58:43.88 ID:ZVpoxhS1O
野球みたいにかっ飛ばして逃げようとか考えたが、ボールに意志があって怒って追い掛けられたら対処不可能。
現状に自分の意志とか特殊な能力とか存在しないことだけは分かってたんだと。出来る事は一つ、現状維持のみ。
兄弟が起きて来たら何とかしてくれるに違いないと希望を抱き、持久戦覚悟したら、
張り詰めてた部屋がズンと密度が増して圧力が増したんだと。
ツヅク
  
335 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/12/21(水) 01:15:04.17 ID:l5hpY0D30
連投支援
  
336 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/12/21(水) 01:18:15.52 ID:ZVpoxhS1O
何か本当に対処不可能な存在が部屋に来たのは分かったんだと。
本当に泣きそうになったらしい。自分の頭がおかしくなって、妄想の世界で自作自演してると思い込みたかったと。
「バチバチ喧しいし、すげえ力だし、左手固まって氷みたいだし、誰かが俺に覆いかぶさるし!」と
重圧と密度の高い気配みたいな風が兄貴に被さって来て視線が動かせないまま、凄く良い匂いがしたんだと、
ツヅク
  
337 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/12/21(水) 01:23:51.38 ID:ZVpoxhS1O
そうしたら氷みたいに冷えた左手に一気に血が流れ暖かくなり緊張から解放されたんだと。
甘いような爽やかでみずみずしい匂いがして、重圧は感じなくなって、あれよあれよと安心に包まれたらしい。
そして睡魔が間を置かずにやって来て、覆いかぶさる誰かを確認できず、幸せな気分で眠りに落ちたらしい。
もう何年も前に兄貴が密かに一人頑張ったらしい話。
オワリ
  
338 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/12/21(水) 04:08:52.80 ID:IXwlkyLNO
翌朝起きたらどうなってたのか、ぜひとも兄貴に聞いてくれ
  
345 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/12/21(水) 23:41:51.08 ID:ZVpoxhS1O
>>338
翌朝は全身酷い筋肉痛だったらしいですよ。
鼻の奥に凄く良い匂いが残ってて、筋肉痛と匂いと数日間続いたらしい。
日本刀もバチバチボールも起きたら無くて、当たり前だけど夢と思ってたら、
匂いは昼間でも、何度かにおったから、嫌な思い出と安心感とがないまぜになって、複雑だったと。
  

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