二人の兄


730 名前:名無しの霊体験[sage] 投稿日:2016/01/25(月) 14:47:54.60 ID:L3IE/b95O
暇人なもので投稿します

幼稚園の頃、自分には二人、兄がいました。一人は実際の兄ともう一人は笑顔の成人男性。
私が幼稚園から帰って来たら、アパートの外でいつも待ってくれて遊んでくれました。
植物に詳しく色々説明されました。
成人男性「これが、蓼。蓼食う虫も好き好きってことわざあるでしょ?」
「知らない。ことわざって?」
成人男性「…。あ、これはねー。蛇苺。毒はないけど美味しくないんだ」
「食べれるなら食べたい」
成人男性「食べちゃだめ」
「えー。これは?」
成人男性「ドクダミ。乾燥させて云々(長かったので、聞き流し)」
食べれる植物にしか興味なかった。
ある日アパートの周りの草むしりの担当が、うちになった。
土日に家族全員で草むしりをしていると、都会育ちの父が
父「これ野苺だ」
と蛇苺を兄に渡してた。私は相変わらず草むしりしながら、もう一人の兄と話してた。
呼ばれて私にもくれたが、蛇苺だと父に言った。
リアル兄が鼻で笑いながら、「お父さんが間違うはずがない」と言って食ってた。
山育ちの母が父と騒いでいる私と父が手に持っていた蛇苺を見て、「蛇苺持ってどうしたの?」という一言で騒ぎは収まった。
兄が食べたことにより、違う騒ぎになった。
母曰わく「蛇苺は毒があったはず!」
で、私の「蛇苺は毒ないよ」という一言はなかったことに。
最終的に祖父に電話。
祖父「蛇苺に毒はない」の一言と爆笑を母が貰い。
更に心配で病院に電話して笑われ、むやみに野の植物は食べないよう注意されてた。それから安心して草むしりを再開してる時、親から、蛇苺の特徴と毒がないのをどこで知った?と聞かれたので
私「お兄ちゃんから。ううん、お兄ちゃんじゃなくておっきいお兄ちゃんの方。笑顔なの。あそこにいるよ」
と指差したら、父が兄を担いで私を母が担いで家に戻った。
草むしりは別の日に延期になった。
指差した方向には誰も居なかったらしい。
 

コメントを読む
外伝8 次の話
Series Menu (1列) (表)
外伝8 Menu (1列) (表)
1列メニュー Top

名前:
コメント(空白なら拍手のみになります)

 送信