小さなおじいさん


240 名前:名無しの霊体験[] 投稿日:2015/05/23(土) 02:31:33.37 ID:cq0KOtTZ0
何処に書けばいいか迷ったんですがとりあえずここで。
僕は小さい頃から霊が見えています。
実家の廊下を歩く着物の女やちっさいおじさんの霊。
そして霊感なのか分かりませんが相談スレに書いてある知り合いの身の危険を予知する夢を見る力(と言っていいのか)
まあ、本題に入りますと父方の祖母が大事にしていたニッコリ笑った40cmサイズのおじいさん人形が付喪神になったのか
霊体として行動を始めたんです。
人形自体はケースに飾ったままですがおじいさんは祖母の家じゅうをちょこちょこ動き回っていました。
僕と母以外霊感なし族の家族は見えておらず、母はこの世の物では無い物に関わろうとしなかったので僕も無視をしていました。
ですが、ある日うっかり視えるのがばれてしまいます。
祖母と仏間の掃除をしていた時おじいさんが走り回っていてうっかり神棚の花瓶?を一つ落としてしまいました。
それを見ていた僕は祖母の上に落ちて来る花瓶を箒の柄で叩き落とし「えびすさん、あぶないじゃないか!」と怒鳴ってしまったんです。
 
241 名前:名無しの霊体験[] 投稿日:2015/05/23(土) 02:49:08.68 ID:cq0KOtTZ0
続き

普段から幽霊と関わるなと言われているのにうっかり怒鳴ってしまった僕におじいさんは嬉しそうに話しかけます。

「わら、視えるんか?」

「あにを無視する、視えるんじゃろ?」

祖母がいるし、と答えずにいるとおじいさんは諦めたのか何処かへ行ってしまいました。
掃除も終わり仏間の畳の上で寝そべり(そこがお気に入りだった)絵を描いていると奥の襖から顔を出すおじいさん。
来たよ……と脱力しているとおじいさんは嬉しそうに走って来ると僕の腕に座り言いました。
「いちちゃんでもわらでもいいから、桐箪笥の後ろに落ちたわしの竿を取ってくれ」
僕はその時まだ小学4年生だったんで桐箪笥を動かせる力なんてありません。
困ってしまい、どうするかと考え伯父さんの部屋へ向かい伯父さんを呼んで箪笥を動かしてもらいました。
奥の方に埃をかぶった小さな釣竿が一つ。
何事かと見に来た祖母が「こんなとこにあったのね」と言って嬉しそうに伯父さんから受け取り、流しで綺麗にして人形に持たせていました。
おじいさんは満足そうにうなずくと「ありがとさん」と消えてました。
これがおじいさんとの初めての会話で、生活の始まりです。
 
242 名前:名無しの霊体験[] 投稿日:2015/05/23(土) 02:53:29.99 ID:cq0KOtTZ0
>>241つけたし「あに」とは自分の地域の言葉で「なに?」
「わら」は「おまえ」です
 

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