タックル


461 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2008/10/19(日) 19:01:33 ID:7kyx+t5+O
親父が死んでから、俺は実家に戻りお袋と二人で暮らしている。
彼女も休みの度に泊まりに来てくれる。
一昨日の話。明け方出勤前のお袋が和室の仏壇にお供え物をしていた。
その時、俺も彼女も含め全員が和室にいた。
すると和室に面した居間の奥の方から、すたぱ…すたぱ…と音がする。
  
462 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2008/10/19(日) 19:07:35 ID:7kyx+t5+O
続き
スリッパを履いている足音だ。この家には三人しかいない筈。
ただならぬ雰囲気に沈黙し足音を聞くだけの三人。
足音は徐々に大きくなり、スリッパが現れた。履いている筈の誰かの姿は…ない。まるで透明人間がスリッパを履いているみたいだ。
家族を守らなきゃ。とっさに俺はスリッパの上にあるだろう体に向けてタックルした。
正直、すり抜けてくれることを期待した。
でも確かにあったんだ。見えないけど、ヒトの感触。
  
463 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2008/10/19(日) 19:14:24 ID:7kyx+t5+O
続き
俺は幽霊(?)の頭のありそうな部分を押さえ、壁にぶつけた。何度も何度も。
そして硬直しているお袋に「早く!お経!」と叫んだ。お経を唱えるお袋。
次に彼女に言う。「アキもお経!お前のうち草加なんだからお経位出来るだろ!」
…彼女は気絶していた。
タックルとお袋のお経が効いたのか、透明な肉体は俺の腕の中でまるで氷が溶けるように小さくなり、やがて腕の中の感触が消えた。
  
464 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2008/10/19(日) 19:28:31 ID:7kyx+t5+O
ラスト
そして昨日、和室で寝ているとまたすたぱ…すたぱ…と足音が居間から近付いてくる。
あんなことがあったからスリッパは片付けた筈なのに一昨日と同じ足音。
そして一昨日と同じ場所で音が立ち止まる。
今日はお袋はもう出掛け、俺の隣では彼女がすぴー…すぴー…と鼻笛鳴らしながら寝ている。
守らなきゃ!また俺はタックルを…する筈だった。
気付いたらタックルされていたのは俺。
見えない力に押さえつけられ、頭をガンガン壁に打ち付けられる。
「昨日は痛かったぞ!どうだ!この!痛いだろ!なぁ!こんなことされたらい・た・い・だ・ろ!?ヲイ!
自・分・が・さ・れ・て・嫌・な・こ・と・は・す・ん・な。解ったか!アホ!」
そう言い残して幽霊は消えた。解放された俺は助かった安堵と恐怖でガタガタ震えた。
「でもアキが無事だったから良かった…」
彼女は先程と変わらぬ姿ですぴー…すぴー…と寝ていた。
  
465 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2008/10/19(日) 19:47:09 ID:WlqtDxtk0
いや、怖いよ。
どこが笑えるの?
彼女が起きなかったこと?
  
466 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2008/10/19(日) 20:07:29 ID:7kyx+t5+O
あの…幽霊が言った言葉…ごめん
  
467 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2008/10/19(日) 20:12:20 ID:uYsqFmZb0
爆笑ではなかったけど面白かったよ。
自分がされて嫌なことは〜とか言うなら、出てくんなよって話だなw
  
468 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2008/10/19(日) 20:25:23 ID:BQSvbX5kO
その幽霊は父親だったってこと?
   
469 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2008/10/19(日) 20:28:06 ID:N1IgQpUT0
ただの不法侵入じゃねぇか 殴られても文句言えんぜ
  

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