折烏帽子の武者


226 名前:名無しの霊体験[sage] 投稿日:2013/08/24(土) 01:23:03.32 ID:BlyKvJtEs
豚切りで悪いんですが長めの話なんだけど書き込んでもいい?
 
227 名前:名無しの霊体験[sage] 投稿日:2013/08/24(土) 01:46:43.04 ID:RrqW9ALo0
>226
とっとと書くがよろし
できれば起きているうち投下してくれると嬉しいデス
 
228 名前:名無しの霊体験[sage] 投稿日:2013/08/24(土) 02:14:39.08 ID:6E5AxOufs
>227
ありがとう、じゃあ始める。


まったく笑えない話だけど、また私の元に来ると予告した幽霊が中々来なくて心配になっている

ことの発端は、ある日昼寝の最中に武士の幽霊に取り殺されかけたことから始まる
ウトウトしていてふっと気付くと、目の前に折烏帽子と武者鎧を着けた壮年の武士の物凄く怖い顔がいた
私の顔を覗き込むその武士は一言も喋らずじっと私を見下ろしている
しかし殺気だけは十分。明らかに私を殺しにきているんだとわかった
逃げなければと思うがガチガチに金縛りにあっていて少しも動けず、そのうち武士が黙ったまま刀を振り上げ始めた

これは死ぬ。マジで死ぬ

若い身空で死にたくないとパニックになりながら最終的に私は題目を唱えた
うちは日蓮宗(確か本能寺建てたお坊さんの系列?)で、祖父母が熱心な信者
小さい頃から困った時に題目を唱えればいい、お前は仏様やお祖師様から格別にお計らいを得てる人間だから絶対すぐに助けてもらえる、と祖父母やお坊さんによく言われていた
だから必死で目をつぶったまま題目を唱えて「助けてください!まだ死にたくないです!こいつ倒して!!」と念じてみた
するとその途端、武士が刀をピタッと止めた気配がした
助かったか?と目を開けるけどまだ武士はそこにいる
ただ、きょとんとにこっちを見ていて、殺気がなくなってた
こっちもぽかーんとしてると、武士が不思議そうに質問してきた

武「そなたの唱えているのは、なんだ?」
 
229 名前:名無しの霊体験[sage] 投稿日:2013/08/24(土) 02:16:43.44 ID:6E5AxOufs
続き

予想外の展開におっかなびっくり答える私

私「お、お題目です」
武「題目? どこの宗旨だ?」
私「日蓮宗です…」
武「日蓮宗ぅ?」
私「ほ、法華宗のことです!」
武「法華、法華か。どこの寺の門徒か?」
私「京都の、本能寺の系列です」
武「本能寺…あの坊主か?」

こんな感じにいくつか私から聞き出してうーむ、そうか、あの寺かと考え出す武士
しばらくそうしてから、助かったのかわからなくておろおろしてた私をひたっと見据えてきた
怖くて涙目な私に武士は

武「法華の教え、興味がある。教えてくれんか」

真剣な表情で無茶振りしてきた
日蓮宗の教えが知りたいのは結構なことだが、私はお坊さんではない。祖父母みたいにガチな信者でもない
お看経だって教本がないとあげられないレベル、到底すぐに武士に正しく教えてあげられるはずがない
でも断るとどうなるかわからない。うまく躱す方法は…と考えて、はっと思いついた

私にできないなら、教えを説ける人を呼べばいいじゃない!
 
230 名前:名無しの霊体験[sage] 投稿日:2013/08/24(土) 02:18:31.66 ID:6E5AxOufs
続き


誰を呼ぶとか、そもそもどうやって呼ぶとかまでは頭が回ってなかった
とにかくこれしかない!と武士に「わかりました。私では難しいので代わりに教えを説いてくれる方を呼びます」と返事をした
すると武士、「ならば今宵もう一度訪うので呼んでおいてくれ」と了承&再来予告
それで武士は帰ろうとしたんだが、そのタイミングで勝手に私の口が動いて武士を呼び止めた

私「失礼ながら、貴殿のお名前を教えていただけませんか?」
武「儂の名か?」
私「はい、そちら様のお名前を存じ上げないと正しく対応ができません」

つらつらと自分でないみたいな滑らかな口調で武士の名前を聞き出そうとする自分
なんだこれ!?とびっくりしていると、武士が「あいわかった」と頷き

武「私は××××××と申す、×××の××××じゃ。よろしゅう頼んだぞ」

と名乗って消えて、私も目が覚めた
起きてすぐ仏間に駆け込んで仏壇に手を合わせて、ピンチを凌いでもらえたお礼にお看経
それから殺しにきた武士の名前と日蓮宗の教えを知りたがっていたこと、今夜来るらしいことを心の中で語って報告した
武士の願いを叶えてあげて欲しいです、お祖師様よろしく計らってくださいとお願いもしておいた

お看経した後に少し身体が楽になったけど、まだ不安だったのでその夜はベッドサイドボードに数珠とお看経の教本を置いて寝た
が、武士はその日以降私の前に姿を表さなかった
次の日も、その次の日もずーっと出てこない
もう2ヶ月くらい経つけどまったく出てこないので、ちゃんと武士は望みがかなったのかわかんね……
おりを見ては仏壇に手を合わせて、あの件どうなりました?とお訊ねしても返答なし。結果とか現状は教えてもらえないまま

長々と話したがこんな感じの体験でした。
あの武士はどうなってるんだろう…とまだ気になってる
 
231 名前:名無しの霊体験[sage] 投稿日:2013/08/24(土) 03:24:44.52 ID:csyiURM40
全然詳しくないけどなんとなく推察するには
本能寺と縁のない武士
本能寺は信長が宿に使ってたくらいだから体制サイドとして、
逆の一向一揆やらかしてた人間と予想

戦国時代以外の宗派ごとの歴史まったくわかんねぇ
 
232 名前:名無しの霊体験[sage] 投稿日:2013/08/24(土) 03:27:35.37 ID:VL/gg5QB0
考えられる可能性

1)こっちの1日が向こうの1日とは限らない(死んだ時点で時間認識ができなくなっている)
2)すでに先祖のお偉いさんが手を打ってくれた(でももう済んだと伝える術がない)
3)武士は実は別のものが化けて演技していた
4)実は体験者は自分じゃなくて他の誰かで、夢でそれをリプレイしてしまった

ちなみに自分は4)がよくある。
 
233 名前:名無しの霊体験[sage] 投稿日:2013/08/24(土) 03:29:29.41 ID:BEVaZ3FX0
悪霊は機嫌の悪いヤクザに等しいという説は本当だったんですね・・・
見ず知らずの鎧武者が襲ってくるなんて理不尽にも程がありますがな(((((;゚Д゚)))))
来ないのはお祈りした守護の方々が彼の所へ出向いて色々としてくれたのかも?
 
234 名前:名無しの霊体験[sage] 投稿日:2013/08/24(土) 06:43:54.89 ID:uHHmjjrJ0
まあ、考えられるのは、襲われた方の過去生がその武士と因縁があると云う事でしょう。
烏帽子を被った侍と云うと、戦国以前でしょうか。
南無妙法蓮華経を御存じないと云う事は、鎌倉時代以前の方と推察します。
何があったのでしょう。

それにしても、助かって良かったですね。
 
235 名前:名無しの霊体験[sage] 投稿日:2013/08/24(土) 11:36:26.12 ID:Q8mi0TdPs
侍の名前を聞いた方が上手いこと収めてくれたから、もう現れなくなったんですかね
 
239 名前:名無しの霊体験[sage] 投稿日:2013/08/24(土) 15:15:49.84 ID:DA+PdB5C0
>>232
いや
>武「本能寺…あの坊主か?」
から判る通り、武士はある程度わけ知りな様子
230のところに来たのも結局その関連だと予測できる
おそらく武士は「あの坊主」絡みでの怨霊の類い
ところが230が念じたお経がどうにも心地良い、癒される、救われる
そんなところで「法華の教え、興味がある。教えてくれんか」となったのではないかと
230が知らないところで、「あの坊主」と武士との間で
「法華の教え」とやらを通して和解したのかもね
 

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